21, 2005
「書斎の王様」にみる1980年代の書斎
![]() | 書斎の王様 図書編集部 岩波書店 1985-12 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| その14人の内訳を列挙すると、 |
| 大江志及夫 | 大学教授 | 家・書庫 |
| 尾崎秀樹 | 文芸評論家 | 家・書庫 |
| 小田島雄志 | 大学教授 | 喫茶店 |
| 倉田喜弘 | 芸能史研究家 | 家 |
| 小泉喜美子 | ミステリー作家 | 家 |
| 椎名誠 | 作家 | 電車 |
| 杉浦明平 | 作家 | 家・書庫 |
| 立花隆 | 評論家 | 個人オフィス・書庫 |
| 永瀬清子 | 詩人 | 家 |
| 林京子 | 作家 | どこでも |
| 星野芳郎 | 大学教授 | 研究室 |
| 村松貞次郎 | 大学教授 | 家 |
| 山田宗睦 | 大学教授 | 家 |
| 吉野俊彦 | 評論家 | 家・書庫 |
現在、東京近郊で私が文筆業をいとなむとすれば、最低八〇坪の土地と五〇坪ぐらいの職住一体の建築物を必要とする。この金額、少なくとも七五〇〇万円は見なければならない。<一部省略>と言うような次第で、今の私の場合、まあざっと一億円ぐらいの金を手にしていないと、この営業、東京近郊ではやって行かれない。こういう点では、文筆業も開業医や弁護士と変わりはない。原稿用紙とペンと机がありさえすれば、文筆で暮せるというものではないのである。これは、バブルがはじける5、6年前に書かれたものである。結局星野氏は、京都の家を処分して東京に戻ってきて、大学の研究室を書斎とするのである。タイトルも「職住分離型書斎の経済的背景」である。これからの書斎は、どうなのだろう。家に書斎なのか、外に書斎か、どちらだろう。これは、経済的観点、仕事のスタイル、仕事の性格などによって様々な考え方があるだろう。今回は問題提起ということで、ここで止めておくが、未来の書斎を考える上で、非常に参考になる一冊であることは間違いない。
20, 2005
ノマドの書斎
これは私の造語だ。モバイル・コンピューティング、ユビキタス・コンピューティング、ウエァラブル・コンピューティングという言葉が一般的になりつつある今、書斎も持ち歩く、あるいは偏在するのではないだろうか。書斎の在りようがユビキタスであることには、何か必然性があるのだろうか、単なる流行ではないのか。
実際私はこの1年間ほど、ホットスポットでノートPCを広げてみた。しかし、仕事をする環境として、マクドナルドやホテルのロビーは使えないというのが実感である。喫茶店ルノワールで何とか使えそうな気がしたが、万全な環境ではない。本当はスターバックスなどが一番使える可能性があると思う。以前はスターバックスで無線LANが使えたのだが、今はサービスが中断している。そして現在、主に使っているのは、六本木ヒルズ40F、49Fのアカデミーヒルズだ。ここは、書斎としてまったく申し分ない。環境がすばらしいことに加えて、無線LANと自宅サーバーを最大限に活用して、まったく不自由のない環境を構築することができた。これが、今書いている環境だ。六本木ヒルズの40Fにある40 Cafe。
さて、実際にこの「ノマドの書斎」とは何かを語る前に、今までに語られた書斎についてもう少し調べてみよう。次回以降、以下の4冊について簡単にご紹介していきたい。
1985年12月 書斎の王様 岩波書店 「図書」編集部
2000年02月 書斎のある暮らし 光文社 林 望
2002年02月 インターネット書斎術 筑摩書房 紀田順一郎
2003年01月 書斎がいらないマジック整理術 講談社 ボナ植木
19, 2005
書斎への憧れ
書斎という言葉に惹かれる。私が時々チェックしている「男の隠れ家」という月刊誌がある。今までに書斎に関する特集がこの3年の間で4回ある。
2002年05月 男の書斎
2003年04月 DEN 隠れ家的小空間の魅力
2004年12月 書斎&DEN
2005年07月 書斎の楽しみ
書斎は、本を読んだり、書き物をする、知を創造するための個人的な小空間である。誰にも邪魔されず、自分が必要とするものをすぐに取り出せる、快適な場所を人は常に求めている。しかし、書斎は一義的に定義されるものではなく、個人の好み、個人の仕事のスタイル、時代、テクノロジーによって、様々に変容する。特に最近では、インターネットの普及によって、個人で仕事ができる環境が整備されつつあり、新しい形態の書斎が生まれてくると、個人的に考えている。
1970年代に「未来のオフィス」というコンセプトを追求するために、XeorxはPARCをシリコンバレーに設立した。そこで、分散環境とPersonal Computerが生まれた。今では、すべてのオフィスにそのコンセプトは浸透している。しかし、その結果として、企業でなければできない仕事は限定されるようになり、個人でできる仕事はどんどん増えている。さて、企業とオフィスという関係のごとく、個人と書斎は結びついている。これから、「未来の書斎」について考えていきたい。

