風に吹かれて

英語、音楽、書物。写真に車。日々の思索。

*

『世にも美しい数学入門』藤原正彦・小川洋子ー数学に対する見方が変わる【感想】

      2015/09/19

utukushiisugaku
数学が実は美しいものである、という新鮮な視点を与えてくれる良書。二人の会話調の平易な文体なので気軽に読める。

「数学は役に立たないから素晴らしい」とか、「美しくなければ数学ではない」とか、無味乾燥なイメージのある数学に対し、情緒的な捉え方ができるなんて意外だ。

日本の理系で一番強いのは数学なのだそうである。その理由は美的感覚が優れているからという。なんとも知的好奇心を刺激する話ではないか。

その他、インド人が発見した「0」(ゼロ)の概念はヨーロッパ人からは絶対出てこないとか、「アラビア数字」と言っているが本当は「インド数字」なのだとか。

「フェルマーの最終定理」の話や「不完全性定理」の話題もでて来て興味深い。本書を読めば数学に対する見方が変わるかも知れない。

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

藤原 正彦,小川 洋子 筑摩書房 2005-04-06
売り上げランキング : 44791

by ヨメレバ

 - 書物

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  関連記事

国連制圧ー無能な国連を描く実際にあってもおかしくない話

テロリストがニューヨークの国連ビルに侵入し、人質をとって身代金を要求し立てこもる …

されど われらが日々ー柴田翔

高校生の頃読んだ小説を読み返してみた。内容はすっかり忘れてしまっていたのだが、「 …

百田尚樹「大放言」を読んでーリアリティある至極まともな内容【感想】

「永遠の0」の作者で今話題の百田尚樹氏による新刊「大放言」を読んだ。別に大放言と …

秋の日の ヴィオロンの ためいきの…

太陽が傾き、日差しが部屋の奥まで入ってくる季節になった。 秋の日の午後。こんな時 …

【読書】日本国憲法は日本人の恥である

掲題の書を読了。著者のジェイソン・モーガン氏は米国人歴史学者で、米国の歴史学会の …

『歴史問題をぶった切る』藤岡信勝・竹内睦泰・倉山満ー「強制連行」「従軍慰安婦」「南京大虐殺」自虐史観を正す好著

偏向した歴史教育と長年闘ってきた藤岡信勝氏、左翼講師ばかりの予備校業界で孤軍奮闘 …

ノルウェイの森 村上春樹

ブックオフで綺麗なものが100円で売っていたので、今更ではあるが読んでみようと思 …

太宰治「人間失格」 芥川賞作家ピース又吉の原点

ピース又吉が「火花」で芥川賞を受賞した。Conglaturations! 彼の文 …

no image
ブルーススプリングスティーンと佐野元春

村上春樹のエッセイ「意味がなければスイングはない」にブルーススプリングスティーン …

no image
村上春樹氏、ドイツの文学賞を受賞

村上春樹氏がドイツの文学賞「ウェルト文学賞」を受賞しました。毎日新聞デジタル版に …